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堺の包丁

堺の包丁を濡れたままにしてしまう

包丁を使う環境に水はつきものです。材料を洗う、道具を洗うなど、直接触れることがなくとも、水は必ず付着します。また材料も水分を含み、魚や肉の血、果物の酸など、腐食を進めるものです。こうしたことから、使用後、濡れたままにしておくとどうなるか、考えるまでもありません。

そもそも腐食とは、金属原子が環境中の水分や酸素などと酸化還元反応を起こすことです。鉄は赤く錆び、銅は緑青を吐きます。日常において、鉄が錆びるのは避けられません。ただ、鉄のフライパンのように、空焚きをして錆びにくくできるものもありますが、包丁は、特に和包丁は熱の入りを嫌います。

これにより、本来の性質が変化してしまうからです。
堺の包丁は日本の代表的なものです。その歴史は古く、堺は古墳時代より鋳鉄技術があり、平安時代に刀鍛冶が、室町時代には煙草を刻む煙草包丁として、既に「堺」の名は全国に知られていました。それぞれの工程(鍛冶、研ぎ、柄付け)で専任の職人が製造、仕上げをします。

地金と鋼を打ち合わせ、高温に熱して徐々に冷ます「焼きなまし」、800度ほどに加熱したものを水に浸けて一気に冷ます「焼き入れ」、それをさらに再び炉に入れる「焼き戻し」を行います。これにより、地金に粘りが出て、鉄の欠点である欠けやすさを克服させるのです。

堺の刃物は、ステンレス包丁に使用するステンレスの硬度よりも、硬いとされています。切れ味も抜群で、プロの料理人の使用シェアのほとんどは、堺の和包丁であります。

こうした職人の手によるものは値段もかなり高額なものもあり、これを錆びさせてしまうとなると、宝の持ち腐れです。錆びてしまった場合、表面の錆は研ぎで削れますが、内部腐食となると、研ぎの専門でも不可能となる場合もあります。特に柄の内側は、見ることができないので、気付くと腐食していたりします。

これを避けるには、日々の手入れが必要です。使用後は濡れたまま放置せずに、まず手入れを行ってください。手入れの仕方は、水か熱い湯で汚れをきれいに落とし、乾いた布でよく拭いて水気を完全に取ります。これにより、錆びにくくなります。

錆は空気や水分に触れることで発生するので、それらを遮断させればいいのです。毎日使うならば、上の方法程度で大丈夫でしょうが、長く使わないようならば、油を塗り(専門のオイルもありますが、食塩の入っていないサラダオイルも使用可能)、新聞紙に包んでしまうと良いです。

ただし、油は劣化するので、一年以上放置する場合は、オイルを塗り替えてください。

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